創立90周年記念特別企画

創立90周年記念特別企画 「働き方の近未来と新しい労働科学」を開催しました。

2011年11月18日(金)に霞が関ビル東海大学校友会館で秋企画シンポジウム(含:大原ネットワークシンポジウム)を開催します。

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7月1~2日の2日間にわたり、労働科学研究所の創立90周年記念シンポジウムが国立女性教育会館(埼玉県比企郡嵐山町)で行われました表示。働き方に関連して新しい提案や提言を行っている研究者・実務者を演者に迎え、特別講演、2つのシンポジウム、ふんだんなグループワークで構成されたプログラムとなりました。全国からさまざまな分野の実務者、研究者、関連団体から57名が、働き方の近未来をキーワードに、労働科学の果たす役割、未来への広がりを構想し、これからの人間らしい労働と生活のあり方を活発に討議する機会となりました。今回は合宿形式のシンポジウムであり、参加者間の交流も進み、現場の実務者とともに歩む労働科学研究所の取り組み、役割を確かめる機会となりました。終始、神田道子氏(国立女性教育会館・前理事長)も討議に参加され、的確なコメントや助言に、討議の内容も深まりました。

<7月1日のプログラムより>

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まず、創立90周年のごあいさつを酒井一博所長が行い、続いて、鷲谷いづみ氏による特別講演が行われました。鷲谷氏は「生物多様性と豊かな労働」のテーマで、1)生物多様性を脅かすもの、2)労働の豊かさを損なうものへの警戒について、実例を取り上げながら「征服戦略の価値観からの脱却」と「共生戦略の価値観の復権」について解説した。そして、これらかの社会は、効率・競争から共生・持続性へ向かう社会にすべきであり、豊かな労働の視点を踏まえた展望が必要だと述べられました。コーディネーターは矢澤澄子氏(国立女性教育会館運営委員長)、毛利一平(労働科学研究所)が務めました。3人の演者を迎え、それぞれの論点から働き方の近未来について話題提供が行われました。発表のあと各演者間での討議、フロアを含めた討議を経て3名の演者から参加者への討議課題が提案され、グループワークでそれぞれの課題をまとめ発表する形で初日は終了しました続いて行われたグループワークでは、シンポジストから提案された課題(表1)を各課題2グループが討議して発表しました。発表された内容のキーワードを表2にまとめました。

表1 働き方の近未来

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課題1 竹信さんから
楽になるために手間をかけるべきである
手間をかけるべきものは何か、列挙する(優先課題3つ)
それぞれの人が、どんな手間をかけ、できることは何か3つまとめる

課題2 濱口さんから
しんどさを現場レベルで議論することが重要
なぜノイズ(つらさ?等)はあがってこないのか、その理由は?列挙
ノイズを回路にのせる議論の道筋をつけるため必要な点、3つ

課題3 井谷さんから
女性労働者にとって、労働現場で改善すべき課題を3つあげる。なぜそれが、解決が必要か。それぞれについて取るべき行動についてまとめる

表2 働き方の近未来~グループワークの結果

 
課題1
課題1
課題2
課題2
課題3
課題3
グループ
4班
6班
5班
1班
3班
2班
 
介護
使命感
仕事自体
社会
サポート
妻の収入
意見交換
 
子育て
実現
可能性
制度
IT活用
育児休暇
のメリット
キャリア
デザイン
 
共生実現
目標
達成感
規範
しゃべり
ありがとう
人間工学
UD

 

<7月2日のプラグラムより>

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シンポジウム(2)「新しい労働科学-何をどのように取り組むか」コーディネーターは細田聡、松田文子(労働科学研究所)が務めました。3人の演者からは、キャリアデザイン、女性労働者とうつ病、WLBの実践実例の報告の話題提供が行われました。発表後、フロア、演者の総合討議が行われました。続いてグループワークで、昨日の課題を具体化する議論が行われ、それぞれのグループが発表した。参加者により総合討議後、コーディネーターの細田聡氏により総括が行われました。続くグループワークでは、「各グループの課題を1つに絞り、アクター(個人、組織、行政)が実際に何を行うとよいのか、新しい労働科学(課題解決)の方向を示す」ことが課題として出され、各班、熱い議論が展開されました。コーディネーターの細田氏から「講演、グループワークとも、たくさんの言葉が出てきた。「労働」という概念、言葉の意味がぐっと広がったように思う。研究の方向性も見えた気がする。これらを、ぜひ、活かしていきたい」とのコメントがあり、2日間が終了しました。

2日間の最後に神田道子氏から、新しい言葉がたくさん出てきているので定義をしっかりとしていく必要があること、労働と仕事はちがうこと、ワークキャリアとライフキャリアは分けて考える必要があるのではないかということ、社会参画を支援する社会的共通基盤づくりが重要であり、当事者参加を促すことがカギになること等のコメントをいただき、最後に、労働科学研究所は、もっと労働を中心にして、研究を担う大きな役割があるのではないかと思うとの暖かいメッセージをいただきました。

本創立90周年シンポジウムの報告は「労働の科学」誌に掲載します。

【プログラム詳細】 ここからダウンロードできます。

 

ここまで